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2018年7月 4日 (水)

新たな村上ブランドになるか?林間ワサビ見学会

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28日に新潟北部地域林業振興協議会主催の「林間ワサビ生産拡大事業栽培地見学会」に参加させていただきました。林間ワサビ栽培は三年目の取り組みとなります。見学したのは中継と高根にある2つの林間ワサビの圃場。見学の後は、高根にある『山のおいしさ学校・食堂IRORIで林間ワサビ料理の試食会と意見交換会。行政、林業、農業、飲食業、消費者関係の方等、20人以上の参加者がありました。

 

一般的な沢ワサビではなく「林間」ワサビであることには意味があって、50100年というロングスパンで収益を考えなければならない林業に比べ、林間ワサビの生産・販売ルートの開拓は、数年で収益が期待できるという狙いがあるます。杉の林を間伐し、そのスペースを利用してワサビを栽培する。寒冷な気候、適度な日陰と日光、急勾配地を生かせるなどの条件もこの地には整っています。

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林間ワサビの生産に地域おこし協力隊の一人が取り組んでいることは知っていましたが、実際に栽培の現場を見るのは今回が初めて。村上市街からクルマで1時間ほど、勾配のある舗装されていない林道を行くと、林間ワサビの圃場があります。ひんやりとした空気、杉の木に鬱蒼と覆われた傾斜面、木と木の隙間に広がるワサビ畑。この日は雨の翌日でしたので、多少ぬかるみもありました。

 

中継でも高根でも現地で生産者の方の説明を聞かせていただいたのですが、共通していたのは「栽培・販路開拓が非常に難しい」ということでした。害虫や病気への対策、収穫期が短く安定供給が厳しい、ワサビの根に比べて花や葉の部分には調理にコツがいる等々。現状では、地元のお祭りなどで販売したり、個人でほしいという方に卸したりしているようで、まだまだこの先の販路は見つかっていないようです。

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試食会では何種類かの料理を食べさせていただきましたが、定番ですがワサビの醤油漬けがやはり一番美味しかったです。収穫時期が短いとなるとやはり保存の効く加工品になるのかなと素人ながら思いました。また、葉の大きさや厚さ、調理する方の手加減(7080℃の熱湯に40秒さらして、冷水につけて刻むと辛くなるとのこと)によって辛さに個体差があり、一般の消費者の方が調理するにはかなりのコツが必要なようです。

 

意見交換会では、「(虫や病気に弱いが)オーガニックにこだわるべき」「飲食店で使ってもらえる場所を検討する」「加工品の材料として使えるか、業者の方へ声をかける」「旬に売るなら的を絞って(誰に売るか?花を売るか?葉を売るか?)よい形で売りたい」等、活発な意見が交わされました。

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高根では今年の5月に新たに6000本のワサビが植えられ、栽培が始められています。デリケートなワサビ栽培の特性から、栽培面、販路開拓面など、まだまだ課題が多そうですが、新たな村上ブランドとして日の目を見る日はそう遠くないと思います。

2018年7月 2日 (月)

修学旅行誘致のお話を聞きに温海温泉へ

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仙台市と札幌市の中学校2校から計約150人が修学旅行に訪れた鶴岡市温海地域(修学旅行の一部の行程には山北地区の団体もいくつか含まれている)。6月26日に、その受け入れ役を務めたNPO法人「自然体験温海コーディネット」のスタッフお二人にお話を聞かせて頂きに、温海温泉まで行ってきました。

 

今回の温海地域が受け入れた修学旅行の大きな特徴は、温海地域の自然や文化を感じられる体験型の観光を提供していること。大手旅行会社では難しい地元密着型の観光コンテンツであるため、NPO法人「自然体験温海コーディネット」がこれまで行ってきた経験やノウハウ、ネットワークが活かされたそうです。

 

今回の修学旅行の体験ツアーでは、あらかじめスケッチブックに描いた絵や文字を見せながら子供たちをアテンドするなど工夫を凝らし、子供たちも満足していただけたそうです。また、体験型観光は受け入れ先が複数に上ることから、関係各所への連絡が難しくLINEアプリを使って連絡を取りながら行ったとのこと。

 

旅行業法の縛りから、旅行者を交通機関で輸送することはできないため、そのあたりは体験型ツアーを提供する難しさだなと感じました。特に村上市の場合は地域が広いため、鉄道を利用して訪れたお客様の輸送や、体験ツアーを提供する拠点間の移動などの難しさは大きなネックになっています。

 

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修学旅行の受け入れの際、東京からの距離的なハンデを感じることもあるそうです。新潟県で言えば、中越までは誘致している例があるそうですが、その先の山形までとなるとなかなか東京からの誘致は難しいとのこと。村上市も同じくですね。今後は、東京ばかりをターゲットとして考えず、別な地域からの誘致も考えるべきとのヒントも頂きました。

 

修学旅行は、地域に金が落ちるという金銭的なメリットだけではなく、元気な子供たちが、地域を歩くだけでも街の活力になるという声もあったそうです。また、体験ツアーを提供した団体にとっても貴重な経験となり、今後活動する上で、大きな糧になるとのこと。

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地理的にほぼ山形の文化圏に位置する山北地区は、村上市街を中心に考えるよりも、温海地域と協力して観光コンテンツを提供するのも一つの選択肢として考えて行くべきでしょう。NPO法人「自然体験温海コーディネット」のスタッフお二人からは、今後、何かあれば連携のお話を頂けるとのことでしたので、行政区分を超えた新たな修学旅行の誕生が期待できますね。

越後妻有移住者の現実、映画『風の波紋』を見る

623日に、むらかみ市民講座 公開講座 映画「風の波紋」上映&小林監督トークショーを見に村上市教育情報センターまで出かけてきました。東京から豪雪地帯で有名な十日町市に移住した方が、さまざまな困難に遭遇しながらも、自分の暮らしを越後妻有の地に根付かせていくと言う、架空の街(実際は十日町市)を想定したドキュメンタリー映画でした。

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地震による家の倒壊、雪の中での生活、長年休耕地となっていた田んぼの再生など、主人公の木暮さんはいくつもの試練に直面するのですが、ドキュメンタリーという手法をとっているため、映画は事実を淡々と伝えていくだけというのが新鮮でした。困難というのはドラマティックなものではなく、目の前に冷徹に姿を表す、事実の一つでしかないのですね。

 

木暮さんは何度も途方にくれるのですが、地域の人々の手助けの中でどうにか生活を軌道に乗せて行きます。映画の中に「独りにならない、独りにしない」というセリフが出てきますが、この言葉がとても印象的で、厳しい気候の中で生き抜くこの集落での生き方を端的に言い表しているなと思いました。都会人の感覚ではプライバシーがないに等しいくらい人と人の距離が近い(ただし実際のお隣同士の距離は軽トラで1時間くらい)。

 

育てたヤギを地域の人に屠畜・解体してもらって、焼肉、タタキ、汁物などさまざまな料理にして大勢で食べるシーンも心に残りました。昨日まで名前をつけて可愛がっていたヤギを肉として皿に盛られる。生命に対する慈しみの気持ちをダイレクトに感じられる瞬間でもあり、この地域の暮らし自体がバーチャルではなく、生死に近いとてもリアルな場所にあることが伺い知れます。

 

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映画終了後は、監督の小林茂さんと村上市山北地区で林業とマタギ修行をしている根立龍斗さんをゲストに迎えてのトークショー。根立龍斗さんは若干24歳で村上出身でもない、というのが驚きでした。マタギ修行の話はとても興味深く、「熊の解体が上手くなったので“肉屋”と呼ばれている」「熊を追う役割を任されているが声の出し方が悪く、熊に接近し過ぎて危険だった」「今年中にヤマドリを3つは撃ちたい、美味しいから」「狩りに行くも行かないもその人の勝手、強制ではない」等々。

 

小林茂監督のトークは、木暮さんとの出会いの経緯をはじめ、映画の内容以外にもさまざまな話題に及びました。「“限界集落”は作られた言葉、できれば使わないでほしい」「日本を木にたとえると村落は根っこのようなもの、東京だけ(花や葉だけが)が生きているというのは架空の話」「縄文時代は5000年続いたが殺し合いはほとんどなかった、奥三面の人々は最後の縄文人」等々。さらに話は、原発問題や東京への一極集中などにまで広がりました。

 

映画全体を通して感じたのは、人間は一人で生きているように見えても実際にはいろんな人の手を借りて生かされている存在だということです。都会にいるとさまざまなやりとりがシステム化されていて見え難くなっているけれども実際は多くの人の手を借りて生きています。都市部を離れて遠くに行くほど、そんな人と人の暖かくもあり泥臭くもあるアナログなつながりがリアル感を持って見えてくるのではないかと思いました。

2018年6月21日 (木)

まちづくりのニナイテ講座 2018実行編

616日に村上市生涯学習推進センターで、村上地域振興局主催、NPO法人まちづくり学校が企画運営する「まちづくりのニナイテ講座 2018実行編」に参加して来ました。先月受講した関川村での入門編に比べて、かなり具体的でリアルな講座でした。

 

今回の講座では平成29年度から1年かけて先輩たちが進めて来た3つのプロジェクトのメンバーからのプレゼンを聞いた後に、今年度より参加する私たちがどこのプロジェクトに参加するのかを決めるキックオフ的な意味合いを持った講座でもありました。

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同じような内容の講座を地域おこし協力隊の初任者研修でも受けましたが、すべてバーチャルなシミュレーションでした。架空の世界なので思いつくままにアイデアや意見を言うだけでそれなりに議論が進んだのですが、今回は“実行編”ということなので、実行する自分たちの姿を思い浮かべると軽はずみなことは言えない、と言うのが大きな違いでしょうか。

 

3つのプロジェクトは以下の通り

 

1.地域の宝再発見ツナガルツタエルプロジェクト: 地域独自の宝を見つけ、それを復活させようとする新たな取り組み

 

2.未来に残す味プロジェクト: 地域に残したい味を共有し、守っていく仕組みづくり

 

3.KFMG計画(高校生・フィールド・村上・五感)計画プロジェクト: 高校生が自分のまちに誇りを持って地域の魅力を発見する事業

 

私は「地域の宝再発見ツナガルツタエルプロジェクト」に参加することにしました。「地域の宝を発見する(見直す)ことで町を元気にする」という活動で、関川村の霧出地区をモデル地域にして進められていたものでした(今回はモデル地域を村上市上海府地区に変更)。

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プロジェクトの概要シートには事業理念として次のような文章がありました。

 

「一人一人が地域の宝のニナイテとして行動し、誇りを持って心を豊かに暮らせるまちづくり」。

 

また現状把握として次のような文章も。

 

「地域に対して無関心な人が増え、地域の宝が衰退し、誇りも失われつつある。一方で地域独自の宝を見つけ、それを復活させようとする新たな取組みもある」。

 

現状の流れを覆し、理念を具現化するには、まずは「宝を探す」、または「宝を宝として再認識すること」が必要になってきます。そのための手段として、プロジェクトメンバーと地域住民による「まち歩き」と「座談会」の実施を決めました。

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講座のスタッフや他のプロジェクトメンバーからはかなり具体的な指摘やアドバイスをもらいました。「いきなりまちを歩いても簡単に宝は見つけられない」「そもそも地域の人が宝を認識していないのでは…」「調査のためのまち歩きであれば相当な日数と人員が必要になる」「座談会とまち歩きの実施を逆にするべきでは?」「まず誰に話を持っていくのか?」等。

 

確かに、「誰に声を掛けるか?」で得られる情報はかなり異なるものになるでしょう。今まで地域の宝に気づかなかった地域の人たちに、いきなり「地域の宝は何?」と尋ねても、すぐに回答は返ってこないでしょう。地域の人たちにとって当たり前のものが、外部の人たちから見ればものすごい宝に見えることもあります。

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今後は、プロジェクトメンバーと日程や人数、場所などの詳細を詰めていく予定です。思わぬ障害も立ちはだかってくると思います。ただ、メンバーには今回のモデル地域の上海府出身の方がいるので心強い限りです。地域をより深く知る意味でも、自身の活動に役立つ武器を得る経験としても、大きなチャンスだと思って取り組んでいきたいと思います。

 

2018年6月18日 (月)

ブラニイガタ2018第2弾@村上市大須戸

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6月10日に、NPO法人まちづくり学校主催の「ブラニイガタ2018」の第2回、村上市大須戸「能×農の郷、県北の大須戸を巡る ~すり足で歩く?さくらんぼの集落~」に参加してきました。天気もよく参加者は30人以上、新潟市をはじめ遠く千葉県から参加された方など、リピーターの方も多くいて、まちあるきブームの盛り上がりを感じさせるイベントでした。

 

大須戸には村上市に移住してから一度訪れたことがあって、能が有名ということ、また、地域おこし協力隊の先輩が農家民宿の運営を担当していることだけは知っていましたが、今回は、町の方がガイドしてくださったおかげで、いろいろお話を聞くことができました。突出して有名なスポットなら言うまでもありませんが、それ以外の発見があるのがまちあるきの面白さなんだと改めて気づかされました。

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例えば、このどこにでもありそうな水路の写真。「元はここに水車小屋があって集落の共同作業場だった」って言われると俄然、想像力が膨らみますよね。想像力のある人なら、往時の風景が目に浮かんでくるかもしれません。水車が生み出す動力は大切なエネルギー、その力を利用して働き手が集まったのは当前の流れだったでしょう。

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もうひとつ、サクランボの写真、このままだと可愛いな、美味しそうだな、などの感想で終わりそうですけど、「実はこの辺りは以前、養蚕業が盛んだったが日本の繊維業の衰退にともなってサクランボに植え替えられるようになった」と聞くと見えてくるものも変わってきます。桑畑も今でも少しだけ残っていたりして、人によってはサクランボを見て少し郷愁に浸ってしまうかもしれません。

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能で有名な大須戸ですので地元の方が能舞台で、少しだけ能と狂言の触りだけを演じてくれたのですが、その時にサラッと言った「能舞台は大切な場所だから裸足や靴下では上がれない、足袋を履かなければ…」の一言も印象的でした。地元の方々にとって能舞台が如何に神聖で大切な存在であるかということをちょっとした一言から感じることができた一瞬でした。

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村上に移住する前に読んだ、観光業についての日本のポテンシャルの高さと現状の未成熟さについて書かれたベストセラー『新・観光立国論』(デービッド・アトキンソン著)の一節を思い出しました。「日本の文化財は、一見すると地味なのに、よくよく聞くと“すごい”というものが多い〜特に日本の文化財には「説明」が必要不可欠〜」。

 

まちあるきも同じく、「キレイ~、すごーい」だけで終わらず、解説付きで現場を歩くと町のさまざまなスポットひとつひとつの本質が理解できて、深みのある散策になるんですよね。かならずしも、近頃流行りの“インスタ映え”する必要ないなって思いました。

2018年6月13日 (水)

新潟日報公開講座『伝統からニューウェーブ~ニイガタの祭り~』

新潟日報みらい大学の第2回公開講座『伝統からニューウェーブ~ニイガタの祭り~』を、6月9日、村上市教育情報センター視聴覚ホールで聴講してきました。こちらに移住してきた人間として街を象徴する大イベント『村上大祭』について詳しく知りたいと言う気持ちと、少子高齢化に伴い全国で祭りの継承が難しくなっているという話など、そのあたりの情報について勉強したくて参加しました。

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基調講演は「祭りが持つ地域活性化の力」、講師はお祭り評論家の山本哲也さんでした。話題として上がったのはやはり若年層の参加者の減少。単純に人口の絶対数が減少しているだけではないんですね。参加者が減っている理由として「仕事が忙しい、上下関係がきつい、暑い・寒い」までは誰でも思いつくのですが、盲点だったのが「知らなかった」という意外な理由。「祭りを知らなかった」というのではなく「どうしたら祭りを行う側に入れてもらえるのかを知らなかった」という現状があるようです。

 

確かに、祭りの開催告知はあっても、参加者募集という情報はなかなか入手できないですよね。山本さんのお話では、にいがた総おどりをはじめ、ねぶた、盆踊り、阿波おどり、よさこいなど、盛り上がっているお祭りには「参加できる仕組み」が整っており、それをしっかり周知しているとのこと。外部から来た人間でも自身が参加できると思えば、それが祭りの盛り上がりにつながるということですね。

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また、「知らせる」という側面として基本的なことなのですが、観光客に対して「他者目線」で知りたいことを伝えているか、というお話もありました。例えばある人が「村上大祭」を見に行きたい!と思った場合、「運行地図、タイムテーブル、最大の見どころ、駐車場・トイレ・グルメ情報、交通手段、宿泊施設」などをストレスなく知ることができているのかを改めてチェックする必要があるということでした。

 

もう一歩、地域活性化に踏み込んだ話題として「祭りで移住者を呼び込む」という発想ではなく「移住者を呼び込み、祭りに入る導線を作る」という流れでなければならないという指摘もありました。祇園祭に代表される京都では、さまざまな地域から集まって来た大学生や専門学校生をアルバイトとして使って、参加者の少なくなった祭りを継続させ、その学生の一部が地域にそのまま暮らし続けているという事例もあるそうです。

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後半はトークセッション、「新潟の祭りのこれから」と題して山本さんに加え、桑原猛さん(村上まつり保存会理事長) 、能登剛史さん(新潟総踊り祭実行委員会 副会長/総合プロデューサー) 、関智也さん(浦佐毘沙門堂裸押合 浦佐多聞青年団団長)、4人のお話を伺うことができました。特に今回は村上市での公開講座の開催ということで、村上大祭についてフォーカスしたトークが中心でした。

 

村上大祭が抱える大きな課題として「ヒト・モノ・カネ」の3つについて、村上まつり保存会理事長の桑原さんからお話がありました。「少子高齢化と町内世帯数の減少」「伝統的技術や原材料の減少」「屋台等維持管理と大祭運営費用の減少」…。そしてこの3つの進行に歯止めがかからないならば、文化財保護という網の中でより良い方法を模索していく、「過去から引き継いだものを、未来へ引き渡すことが、現代を生きる私たちの役割」。

 

よそ者の自分としては、祭りをつないで来た推進力として「町内コミュニティの結束力」についてのお話がとても興味深かったです。19の町それぞれが「俺の町内が一番」「俺の屋台が一番」というようにライバル意識を持ちながら続けて来た。一方で、祭り継承に対しての危機感を共有する共同体として底力を発揮しつつある。今回の重要無形民俗文化財への指定を機に、祭りを担って来た町の人々が誇りを持ってくれたら…等々。

 

トークセッションの最後に、祭り評論家の山本哲也さんがお話ししていた「祭りは人を育てる」という言葉が非常に印象的でした。祭りは本来、見世物でも観光コンテンツなどではなく地域のためのもの、文化のひとつであることを非常に分かっている発言だなと思いました。もちろん地域の文化である祭りが観光客の誘致に貢献し、地域活性化に繋がればそれはそれで素晴らしいことだと思います

 

ただ、伝統の形を崩してまで続けることに意味があるのか、という意見もあるのは事実です。人口減少に伴い、祭りの存続は数多くの地域で直面する深刻な問題です。祭りを続けるためにどのように新しい仕組みを作って行くのか、どこまで伝統的なやり方との妥協点を見つけるのか、日本全体が直面している問題がこういうところに表出しつつあるのだなと実感した公開講座でした。

2018年6月 7日 (木)

村上の人として、東京に出張して来ました

5月の2829日の2日間、東京出張に行ってきました。2ヶ月ぶりの東京でしたので人混みの中を歩くだけでもかなり疲れました。空気がよくないのは明らかで、東京は魅力的な街だけど住み続けるのはちょっと無理かなぁというのを改めて実感しました。村上に来てよかったかどうかはまだ三月も経っていないのでわかりませんが、東京を出たこと自体は正解だったのかもしれません。

 

今回、東京に来たのは、村上市産食材の販路拡大のための関係先訪問と、私が所属している村上地域グリーンツーリズム協議会の東京でのイベント関係者への挨拶です。もちろん、ご挨拶だけでなく新しいイベントや雑誌掲載、村上市のアピールやメリットになるようなお話をいただければ最高なのですがまだまだ状況もわからず、名刺交換とこれまでのイベントなどの現状を把握するので精一杯でした。

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皇居外苑でランナーの友人と出会ってしまいました。

 

外国人観光客を対象にした村上酒蔵ツアーを企画してくださっている旅行会社をはじめ、某大大手版社の雑誌編集部の方、村上市出身で某大手式場の料理長をされている方、シェフの紹介やコーディネートを行っている団体など、東京で仕事をしている時とは全く異なる立場で銀座、新橋、大手町、六本木、麹町、墨田区など、関係各所を回らせていただきました。先方は「自分のことを村上の人として見ているのだなあ」と思うと不思議な気持ちです(最終的には東京から来た地域おこし協力隊であることはお話しましたが、、、)。

 

東京に出張に来てさまざまな方とお会いして改めて思ったのは「新しい情報を持っているのは人間」ということです。雑誌やインターネット、ましてやテレビで情報が流れてしまった時点でその情報はかなり鮮度が低い。現場で動いている人たちとお話しているとまさに今この瞬間に起こりつつある情報や予兆的なヒントをもらうことができて、ものすごく勉強になりました。

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村上出身の料理長のお店でいただいた料理(もちろん自腹)

 

「銀座には日本の若者がほとんど来なくなっている」「外国人の富裕層は興味ある旅行には手間や対価を惜しまない」「産地の人たちは売れるからと言ってモノを作りすぎてはいけない」なんていう別々の方から頂いた一言一言の情報もつなげるとけっこう都市部に対して地方はどのように動けばいいかなど、新しい方向性が見えて来そうです。

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田植えイベントをさせていただいている神社

 

地方に移住した人は「東京は人の住むところじゃない、やっぱり田舎がサイコー」なんて極端な言い方をする人たちがいますが、自分は東京には東京の良い点もあるし、地方には地方の良い点があると思っています。それに都市部でも田舎でもない地域も日本にはいっぱいあります。地方に暮らしながら東京の持っている機能を十分に活用して村上をアピールしていきたいと思いました。

2018年6月 6日 (水)

関川村には何がある?「まちづくりニナイテ講座」入門編

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渡邉邸 (国指定重要文化財)

526日に、新潟県村上地域振興局主催の「まちづくりニナイテ講座」の入門編に参加してきました。「実際に街を歩いて、まちの魅力を発見する方法や、まちづくりを行うときのポイントを学ぶ」というワークショップです。午前10時から夕方5時までたっぷり時間を使って、フィールドワークとディスカッション、そしてグループ毎のプレゼンテーションを行いました。今回まちあるきを行ったのは村上市に隣接する新潟県岩船郡関川村にある下関という地域です。

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猫好きに大人気の猫ちぐら

関川村下関には、4月に村上市に着任して間もない頃にクルマで、その一ヶ月後にロードバイク(スポーツタイプの自転車)で訪れていて、今回が3度目の来訪となります。これまでは「まちの見所が一定の地域に集中しているのでプチ観光しやすいまち」「電信柱を地中に埋めるなど町が整然としていてキレイなまち」などの印象を持っていましたが、今回のワークショップのキモである“歩く”という移動手段でまちを見たことで見え方が大分変わりました。

 

クルマのメリットは限られた時間で効率に移動できることですが、やはり「移動するツール」であり、「移動することを楽しむ」には“歩く”方に軍配が上がります。特に今回のワークショップでは「まちの魅力を発見する」という目的があるため、クルマで周った場合、まちのいいところを見逃してしまう可能性があります。特に関川村下関というエリアの狭さを考えると、魅力を深掘りできる“歩くこと”はすごく大きな意味があります。NHKの人気番組『ブラタモリ』なども歩くからこその面白さですよね。

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渡邉邸 (国指定重要文化財)の天井

フィールドワークを行う前のレクチャーで、講師の方からいろいろなまちの何気ない風景を捉えた写真を見せて頂きました。「こんなちっぽけなものでもまちの魅力になるんだ!」という写真などもあり、「まちを見る目」も非常に大切になると感じました。見る者の感性や職業や年齢、出身地などのバックグラウンドによって見えてくるものも異なります。今回はすでに観光名所となっている場所は魅力探しには含まれませんので、思わぬ視点、意外な発見もありました。

 

例えば私が一緒にまちを周ったグループでは20代、30代のメンバーがいたのですが、まちの風景よりも、昭和の懐かしさを感じさせる広告やお店の看板などに注目していました。地元に住まわれている年配の方に聞くと、昭和レトロ看板のマニアがいてネットで紹介されていたり、ある日突然、看板が盗まれてしまうケースもあるそうです。若い人たちにとって“懐かしい”というのは江戸の街並みなどではなく、昭和だったりするのだなと、目から鱗が落ちる思いでした。

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今回の講座は入門編ということで「まちづくりを楽しむ」という導入な意味合いが強かった内容かと思います。実際にはまちづくりの「目的」や「理念」が先になければ、まち歩きもフォーカスの定まらない曖昧なものになってしまうし、まちで見つけた発見も実際のまちづくりの資源へと着地させなければ意味がありません。今回の講座のように楽しいことばかりではないと思いますが、講座で得た気づきや経験をこれから自分自身が進めていく活動の現場に活かしていきたいと感じました。

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米坂線「越後下関」駅のホーム

 

2018年6月 5日 (火)

地域おこし協力隊の初任者研修で感じたこと

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1618日に総務省・市町村職員中央研修所が主催する「地域おこし協力隊員及び集落支援員の初任者研修会」に参加させていただきました。自分の場合は半年くらい前から移住を考えいて、その手段として「地域おこし協力隊」という制度に関しても選択肢に入っていたので知っている情報も多かったのですが、現場を知る講師の方々や地域おこし協力隊OBや現役協力隊の方々の生の声は大変参考になりました。

 

地域とのコミュニケーション方法、課題やミッションの見つけ方などについての講義では「自分のやりたいことと地域の求めていることの接点を見つける」「全てやろうとしても不可能。何かに絞って3年間でやり遂げる」など活動の指針になるヒントをもらいました。地域においては何でもやってくれる何でも屋やスーパーマン的な結果を求められたりするケースもあると聞いていたので、ちょっと安心したのが本音です。

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マスコミなどに乗るニュースソースには「地域おこし協力隊が街を変えた!」的なドラマティックな成功事例なども良く見かけますが、「地域で何十年も蓄積して来て表面化した課題・問題を地域おこし協力定員が3年で解決できるわけはない。そのきっかけ作りだけでも十分役割を果たしている」との言葉をもらい、短期的ではなく長期にわたって機能するようなシステムを作り上げる一端を担えればと思うようになりました。


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この研修は講義とワークショップが半々くらいの割合で構成されていて、ワークショップや懇親会を通じて同じ立場の隊員と知り合えたり、ディスカッションできたのも良い経験でした。驚いたのはIターンで地域に移住する方が思いのほか多かったことです。自分の場合もIターンなのですが、日本地図を開いて「どこに行こうかな?」的な感覚で興味ある街で暮らすという生き方は今後増えていくのではないでしょうか。

 

ワークショップを体験して痛感したのは、実際の現場ではもっとハードな意見の対立や複雑な状況が想定されるため、協力者や関係者を説得する術や妥協点を見つけるためのやり取りが必要になるということです。最終日のプレゼンでは、座談会形式、演劇形式、インタビュー形式など工夫しているグループなど多彩で、課題解決の内容はもちろん、分かりやすく説明する手段、前提条件の確認も大切になってくると感じました。内容がよくても伝わらなければ意味がないということですね。

 

全体を通してとても有意義な研修でしたが、欲を言えば、集落の中に入らないケースの協力隊員を想定した講義やディスカッションの場があればもっとよかったです。昨年、自分自身が移住を模索している際、さまざまな自治体の協力隊員募集の内容を見た感じでは3人に1人くらいの割合で、インバウンド誘客、DMO立ち上げ、移住サポート、スポーツツーリズム関係など、組織のなかに入って活動する協力隊員が多かったように思えます。今後はミッションが明確なプロジェクト型の協力隊員が増えて行くと感じています。

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「協力隊になるような人は、10年前は変わり者、今はちょっとだけ変わった人」という講師の方の言葉が印象的でした。確かに10年前にあえて地方へ行く人はかなり好奇の目で見られたと思います。自分自身もそういう目で見ていたような気がします。まさか自分がそういう気持ちになり、実際に行動に移すとは想像していませんでした。自分のようなレベルの人が行動に移しているので、時代の空気的にはかなり大きな変化が起きつつあると感じさせる3日の研修でした。

 

2018年5月15日 (火)

朝日シルクフラワー製作工房で体験イベントを見学

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道の駅「朝日まほろば 緑の里」にある朝日シルクフラワー製作工房で、まゆクラフトの製作体験イベントがあるというお話を頂いたので見学に行って来ました。この日は村上市内から団体のお客様が工房を訪れており、比較的ベーシックなシルクフラワー作りの体験を楽しまれていました。講師は工房の運営者でもある横井栄子先生、そして、地域おこし協力隊の一年先輩である細井幹子さんがサポートについていました。

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実際に体験イベントを見る前までは「まゆ玉は繊細で脆い」とい印象だったのですが、実際は製作している皆さんの様子を見ていると意外に丈夫で、ちょっと力を入れて引っ張っても壊れないくらい強度があります。しかも、まゆ玉の糸の壁って何層にもなっていて、たとえば花の形に切って指で剥がすと、花が2枚、3枚と増えるんですよね、知らなかった!

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体験イベントを見ていて気がついたのは、お客様に対して過剰に教えすぎないこと。体験を楽しんでいるので失敗したり試行錯誤したりするのも大切なんですね。もちろん本当に困っている方がいたら手を差し伸べる。テーブルを回りながら絶妙なタイミングでお客様たちをサポートするお二人を見ていて「さすが!」という感じでした。

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工房内にはさまざまな作品が展示されていて、その表現方法の多彩さには驚かされます。まゆ玉の特徴的な形状をあえて活かした作品もあれば、まゆ玉から作られているのかさえ想像できないくらい技巧的なアート作品もあります。ウェディングブーケや可愛らしいキャラクターアイテムもあって「作る、飾る、贈る」といろいろな楽しみ方がありそうです。それが、シルクフラワーの可能性なのでしょう。

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道の駅朝日にある朝日シルクフラワー製作工房を運営している朝日村まゆの花の会は、かつてこの地域で盛んだった養蚕技術を守り・伝えるという活動に取り組んでいます。伝統的な養蚕の技術、まゆクラフトという新しいスタイル、この二つが上手く融合して成り立っているんですね。現在はシルクフラワー作りの技術を身につけてくれる新たな後継者を育てることで、シルクフラワーのさらなる普及を目指しているそうです。

«行きは海、帰りは山、山北地区をぐるっと回る村上サイクリング