フォト
無料ブログはココログ

« 2018年6月 | トップページ

2018年7月

2018年7月 4日 (水)

新たな村上ブランドになるか?林間ワサビ見学会

Kimg1360

6
28日に新潟北部地域林業振興協議会主催の「林間ワサビ生産拡大事業栽培地見学会」に参加させていただきました。林間ワサビ栽培は三年目の取り組みとなります。見学したのは中継と高根にある2つの林間ワサビの圃場。見学の後は、高根にある『山のおいしさ学校・食堂IRORIで林間ワサビ料理の試食会と意見交換会。行政、林業、農業、飲食業、消費者関係の方等、20人以上の参加者がありました。

 

一般的な沢ワサビではなく「林間」ワサビであることには意味があって、50100年というロングスパンで収益を考えなければならない林業に比べ、林間ワサビの生産・販売ルートの開拓は、数年で収益が期待できるという狙いがあるます。杉の林を間伐し、そのスペースを利用してワサビを栽培する。寒冷な気候、適度な日陰と日光、急勾配地を生かせるなどの条件もこの地には整っています。

Kimg1364

 

林間ワサビの生産に地域おこし協力隊の一人が取り組んでいることは知っていましたが、実際に栽培の現場を見るのは今回が初めて。村上市街からクルマで1時間ほど、勾配のある舗装されていない林道を行くと、林間ワサビの圃場があります。ひんやりとした空気、杉の木に鬱蒼と覆われた傾斜面、木と木の隙間に広がるワサビ畑。この日は雨の翌日でしたので、多少ぬかるみもありました。

 

中継でも高根でも現地で生産者の方の説明を聞かせていただいたのですが、共通していたのは「栽培・販路開拓が非常に難しい」ということでした。害虫や病気への対策、収穫期が短く安定供給が厳しい、ワサビの根に比べて花や葉の部分には調理にコツがいる等々。現状では、地元のお祭りなどで販売したり、個人でほしいという方に卸したりしているようで、まだまだこの先の販路は見つかっていないようです。

Kimg1387

 

試食会では何種類かの料理を食べさせていただきましたが、定番ですがワサビの醤油漬けがやはり一番美味しかったです。収穫時期が短いとなるとやはり保存の効く加工品になるのかなと素人ながら思いました。また、葉の大きさや厚さ、調理する方の手加減(7080℃の熱湯に40秒さらして、冷水につけて刻むと辛くなるとのこと)によって辛さに個体差があり、一般の消費者の方が調理するにはかなりのコツが必要なようです。

 

意見交換会では、「(虫や病気に弱いが)オーガニックにこだわるべき」「飲食店で使ってもらえる場所を検討する」「加工品の材料として使えるか、業者の方へ声をかける」「旬に売るなら的を絞って(誰に売るか?花を売るか?葉を売るか?)よい形で売りたい」等、活発な意見が交わされました。

Kimg1402

 

高根では今年の5月に新たに6000本のワサビが植えられ、栽培が始められています。デリケートなワサビ栽培の特性から、栽培面、販路開拓面など、まだまだ課題が多そうですが、新たな村上ブランドとして日の目を見る日はそう遠くないと思います。

2018年7月 2日 (月)

修学旅行誘致のお話を聞きに温海温泉へ

36323654_10215020226276336_11641998


仙台市と札幌市の中学校2校から計約150人が修学旅行に訪れた鶴岡市温海地域(修学旅行の一部の行程には山北地区の団体もいくつか含まれている)。6月26日に、その受け入れ役を務めたNPO法人「自然体験温海コーディネット」のスタッフお二人にお話を聞かせて頂きに、温海温泉まで行ってきました。

 

今回の温海地域が受け入れた修学旅行の大きな特徴は、温海地域の自然や文化を感じられる体験型の観光を提供していること。大手旅行会社では難しい地元密着型の観光コンテンツであるため、NPO法人「自然体験温海コーディネット」がこれまで行ってきた経験やノウハウ、ネットワークが活かされたそうです。

 

今回の修学旅行の体験ツアーでは、あらかじめスケッチブックに描いた絵や文字を見せながら子供たちをアテンドするなど工夫を凝らし、子供たちも満足していただけたそうです。また、体験型観光は受け入れ先が複数に上ることから、関係各所への連絡が難しくLINEアプリを使って連絡を取りながら行ったとのこと。

 

旅行業法の縛りから、旅行者を交通機関で輸送することはできないため、そのあたりは体験型ツアーを提供する難しさだなと感じました。特に村上市の場合は地域が広いため、鉄道を利用して訪れたお客様の輸送や、体験ツアーを提供する拠点間の移動などの難しさは大きなネックになっています。

 

36177137_10215020226796349_77043700

修学旅行の受け入れの際、東京からの距離的なハンデを感じることもあるそうです。新潟県で言えば、中越までは誘致している例があるそうですが、その先の山形までとなるとなかなか東京からの誘致は難しいとのこと。村上市も同じくですね。今後は、東京ばかりをターゲットとして考えず、別な地域からの誘致も考えるべきとのヒントも頂きました。

 

修学旅行は、地域に金が落ちるという金銭的なメリットだけではなく、元気な子供たちが、地域を歩くだけでも街の活力になるという声もあったそうです。また、体験ツアーを提供した団体にとっても貴重な経験となり、今後活動する上で、大きな糧になるとのこと。

36228307_10215020226756348_19042018

 

地理的にほぼ山形の文化圏に位置する山北地区は、村上市街を中心に考えるよりも、温海地域と協力して観光コンテンツを提供するのも一つの選択肢として考えて行くべきでしょう。NPO法人「自然体験温海コーディネット」のスタッフお二人からは、今後、何かあれば連携のお話を頂けるとのことでしたので、行政区分を超えた新たな修学旅行の誕生が期待できますね。

越後妻有移住者の現実、映画『風の波紋』を見る

623日に、むらかみ市民講座 公開講座 映画「風の波紋」上映&小林監督トークショーを見に村上市教育情報センターまで出かけてきました。東京から豪雪地帯で有名な十日町市に移住した方が、さまざまな困難に遭遇しながらも、自分の暮らしを越後妻有の地に根付かせていくと言う、架空の街(実際は十日町市)を想定したドキュメンタリー映画でした。

35970561_10214998630936466_69528419

 

地震による家の倒壊、雪の中での生活、長年休耕地となっていた田んぼの再生など、主人公の木暮さんはいくつもの試練に直面するのですが、ドキュメンタリーという手法をとっているため、映画は事実を淡々と伝えていくだけというのが新鮮でした。困難というのはドラマティックなものではなく、目の前に冷徹に姿を表す、事実の一つでしかないのですね。

 

木暮さんは何度も途方にくれるのですが、地域の人々の手助けの中でどうにか生活を軌道に乗せて行きます。映画の中に「独りにならない、独りにしない」というセリフが出てきますが、この言葉がとても印象的で、厳しい気候の中で生き抜くこの集落での生き方を端的に言い表しているなと思いました。都会人の感覚ではプライバシーがないに等しいくらい人と人の距離が近い(ただし実際のお隣同士の距離は軽トラで1時間くらい)。

 

育てたヤギを地域の人に屠畜・解体してもらって、焼肉、タタキ、汁物などさまざまな料理にして大勢で食べるシーンも心に残りました。昨日まで名前をつけて可愛がっていたヤギを肉として皿に盛られる。生命に対する慈しみの気持ちをダイレクトに感じられる瞬間でもあり、この地域の暮らし自体がバーチャルではなく、生死に近いとてもリアルな場所にあることが伺い知れます。

 

36137423_10214998630896465_96299916

映画終了後は、監督の小林茂さんと村上市山北地区で林業とマタギ修行をしている根立龍斗さんをゲストに迎えてのトークショー。根立龍斗さんは若干24歳で村上出身でもない、というのが驚きでした。マタギ修行の話はとても興味深く、「熊の解体が上手くなったので“肉屋”と呼ばれている」「熊を追う役割を任されているが声の出し方が悪く、熊に接近し過ぎて危険だった」「今年中にヤマドリを3つは撃ちたい、美味しいから」「狩りに行くも行かないもその人の勝手、強制ではない」等々。

 

小林茂監督のトークは、木暮さんとの出会いの経緯をはじめ、映画の内容以外にもさまざまな話題に及びました。「“限界集落”は作られた言葉、できれば使わないでほしい」「日本を木にたとえると村落は根っこのようなもの、東京だけ(花や葉だけが)が生きているというのは架空の話」「縄文時代は5000年続いたが殺し合いはほとんどなかった、奥三面の人々は最後の縄文人」等々。さらに話は、原発問題や東京への一極集中などにまで広がりました。

 

映画全体を通して感じたのは、人間は一人で生きているように見えても実際にはいろんな人の手を借りて生かされている存在だということです。都会にいるとさまざまなやりとりがシステム化されていて見え難くなっているけれども実際は多くの人の手を借りて生きています。都市部を離れて遠くに行くほど、そんな人と人の暖かくもあり泥臭くもあるアナログなつながりがリアル感を持って見えてくるのではないかと思いました。

« 2018年6月 | トップページ