フォト
無料ブログはココログ

« まちづくりのニナイテ講座 2018実行編 | トップページ | 修学旅行誘致のお話を聞きに温海温泉へ »

2018年7月 2日 (月)

越後妻有移住者の現実、映画『風の波紋』を見る

623日に、むらかみ市民講座 公開講座 映画「風の波紋」上映&小林監督トークショーを見に村上市教育情報センターまで出かけてきました。東京から豪雪地帯で有名な十日町市に移住した方が、さまざまな困難に遭遇しながらも、自分の暮らしを越後妻有の地に根付かせていくと言う、架空の街(実際は十日町市)を想定したドキュメンタリー映画でした。

35970561_10214998630936466_69528419

 

地震による家の倒壊、雪の中での生活、長年休耕地となっていた田んぼの再生など、主人公の木暮さんはいくつもの試練に直面するのですが、ドキュメンタリーという手法をとっているため、映画は事実を淡々と伝えていくだけというのが新鮮でした。困難というのはドラマティックなものではなく、目の前に冷徹に姿を表す、事実の一つでしかないのですね。

 

木暮さんは何度も途方にくれるのですが、地域の人々の手助けの中でどうにか生活を軌道に乗せて行きます。映画の中に「独りにならない、独りにしない」というセリフが出てきますが、この言葉がとても印象的で、厳しい気候の中で生き抜くこの集落での生き方を端的に言い表しているなと思いました。都会人の感覚ではプライバシーがないに等しいくらい人と人の距離が近い(ただし実際のお隣同士の距離は軽トラで1時間くらい)。

 

育てたヤギを地域の人に屠畜・解体してもらって、焼肉、タタキ、汁物などさまざまな料理にして大勢で食べるシーンも心に残りました。昨日まで名前をつけて可愛がっていたヤギを肉として皿に盛られる。生命に対する慈しみの気持ちをダイレクトに感じられる瞬間でもあり、この地域の暮らし自体がバーチャルではなく、生死に近いとてもリアルな場所にあることが伺い知れます。

 

36137423_10214998630896465_96299916

映画終了後は、監督の小林茂さんと村上市山北地区で林業とマタギ修行をしている根立龍斗さんをゲストに迎えてのトークショー。根立龍斗さんは若干24歳で村上出身でもない、というのが驚きでした。マタギ修行の話はとても興味深く、「熊の解体が上手くなったので“肉屋”と呼ばれている」「熊を追う役割を任されているが声の出し方が悪く、熊に接近し過ぎて危険だった」「今年中にヤマドリを3つは撃ちたい、美味しいから」「狩りに行くも行かないもその人の勝手、強制ではない」等々。

 

小林茂監督のトークは、木暮さんとの出会いの経緯をはじめ、映画の内容以外にもさまざまな話題に及びました。「“限界集落”は作られた言葉、できれば使わないでほしい」「日本を木にたとえると村落は根っこのようなもの、東京だけ(花や葉だけが)が生きているというのは架空の話」「縄文時代は5000年続いたが殺し合いはほとんどなかった、奥三面の人々は最後の縄文人」等々。さらに話は、原発問題や東京への一極集中などにまで広がりました。

 

映画全体を通して感じたのは、人間は一人で生きているように見えても実際にはいろんな人の手を借りて生かされている存在だということです。都会にいるとさまざまなやりとりがシステム化されていて見え難くなっているけれども実際は多くの人の手を借りて生きています。都市部を離れて遠くに行くほど、そんな人と人の暖かくもあり泥臭くもあるアナログなつながりがリアル感を持って見えてくるのではないかと思いました。

« まちづくりのニナイテ講座 2018実行編 | トップページ | 修学旅行誘致のお話を聞きに温海温泉へ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 越後妻有移住者の現実、映画『風の波紋』を見る:

« まちづくりのニナイテ講座 2018実行編 | トップページ | 修学旅行誘致のお話を聞きに温海温泉へ »