明日に向かって撃て
僕は『明日に向かって撃て』という映画がかなり気に入っている。好きな映画のベスト5くらいに入るかもしれない。一応体裁は西部劇なんだけど、所謂ジェン・ウェイが出演していた頃のような西部劇とは作られた年代もコンセプトもまったく違っていて、60~70年代、反社会・反体制的な若者たちのムーブメントとともに生まれたアメリカンニューシネマの代表作です。
アメリカンニューシネマというのは例えば、ボニー&クライドで有名な『俺たちに明日はない』とか、サイモン&ガーファンクルのテーマ曲なら誰でも知っている『卒業』とか、アンジェリーナ・ジョリーのお父さんジョン・ボイド主演の『真夜中のカーボーイ』、『イージーライダー』『タクシードライバー』…
どの作品も作り上げられた既成の枠組みを打ち破るような、常識に捉われないテーマを扱ったものが多く、どれもお気に入りなのですが、『明日に向かって撃て』は、リアルタイムの若者を描くのではなく、西部劇という古典的な題材を使って、反体制的でリベラルな生き方を描いて見せたところが秀逸です。
日本のドラマとかにもものすごく影響を与えていて、アニメ『ルパン三世』のルパンと次元の関係なんて、まさに『明日に向かって撃て』のブッチとサンダンス・キッドそのものです。『危ない刑事』の舘ひろしと柴田恭平ももろパクリ。実際ドラマのエンディングテーマとともに流れる、映画のフィルムもどきの映像は『明日に向かって撃て』そのまんまだし…
最近、雨の続く毎日ですが、雨が降ると『明日に向かって撃て』のなかに出てくる、ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車に乗るシーンをどうしても思い出してしまいます。バート・バカラックの「雨にぬれても」という曲が流れていて、束の間の幸せを表現している、ちょっと楽しげなのですが不安をぬぐいきれない切ないシーンです。
ブッチとサンダンスは西部では名うての強盗で、賞金もすごい賭けられていて、結局は南米の小国、ボリビアかどこかに逃れて、堅気として出直そうとするのですが、身についたヤクザな生き方からは結局抜け切ることができず、また強盗を始めてしまいます。その心の葛藤がまた胸にジーンときちゃうのです。
監督のジョージ・ロイ・ヒルと主演のポールニューマンとロバートレッドフォードは、その後、『スティング』というペテン師の映画を作っていますが、こちらも別な意味で面白いです。ネタばれになってしまうのであまり書けませんが、だましだまされのストーリーの中で、最後は見ている方もだまされてしまうというまさにどんでん返し。見ていない方は是非一度ご覧ください。
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Comments
明日に向かって撃て」の話題を書かれていたのでトラックバックさせて頂きました。良かったら寄って見てください。
記事にかかれているような一連のアメリカン・ニュー・シネマってどれも良いですよね。リアルタイムで観たものは殆ど無いんですが、何度もビデオやテレビ、映画館のリバイバルなどで見返しているものばかりです。
>ルパンと次元の関係なんて
これは確かにそうですね。(^^♪
ルパンも好きで良く観ていたのですが、書かれているのを読んで始めて気付きました。
Posted by: axis_009 | 20 July 2005 at 12:24