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21 June 2006

シネマ落語「天国から来たチャンピオン」 立川志らく 池袋・新文芸座

「堀の内」 立川志らべ (開口一番)
「死神」 立川志らく
「大工調べ」 立川志らく
 仲入り
シネマ落語「たまや」 立川志らく 映画「天国から来たチャンピオン」より

「志らくのピン~シネマ落語編~」を聴きに池袋の新文芸座へ行ってきました。今回は初めて志らくさんの落語を聴いたときの演目「たまや」だったので非常に楽しみにしていました。席も前の方が確保できたのでとても聴きやすかったです。後ろのほうだと声が変な方向から響いてきてちょっと幻惑されるんですよね、この劇場は…。

開口一番は志らべさんで「堀の内」。志らべさんは自分のオリジナルのくすぐりをいろいろ入れて笑わせてくれるのですが、たまに、そのくすぐりせいでペースが乱れるときがあるので、ちょっと見ていてヒヤヒヤしたりします。志らくさんのように、唄を歌っているようになめらかに話すのってめちゃめちゃ難しいことなのだなあ、と感じました。

志らくさんの1席目は「死神」。これは一門会で以前聴いたことがありましたが、今回気づいたのは“死神がなぜ男に、死神の追い払い方を教えたか”という理由。死神はその昔、男の父親を間違えてあの世へ送ってしまったことがある、だからその罪滅ぼしで男に死神を追い払う呪文を教えてやるというのをしっかり強調していました。

あと、アドリブなのかそうでないのかは分かりませんが、怒った死神を追い払おうとして呪文を唱えると、いろんな噺家の物真似で何度でも舞い戻ってくるシーンがめちゃめちゃ笑えた。圓生師匠、志朝師匠、談志家元などなど。とくに志らくさんの死神のしゃべり方は、ご自身で言ってましたが圓生師匠を意識しているみたいですね(笑)

2席目が「大工調べ」。まくらのなかで「この噺は大家はまったく悪くない、大工の棟梁は江戸っ子のデフォルメだ」とハッキリ言ってました。こういうみんなが心の中で思っていることをきちんと口に出してくれるのは志らくさんならではですね。そういう演出家的な視点を聴いた上で「大工調べ」を聴くと、また新鮮な印象があります。

たとえば、大家が大工道具の入った箱をムリヤリもっていってしまったのではなく与太郎から渡したという設定とか、棟梁が「おれは大家が嫌いだからおまえ(与太郎)を一人で行かせたのに」というセリフとか、大家がキッパリと正論をしゃべり、棟梁を過剰なまでにけしかける演出など、すごい気を配っているのが伝わってきました。

で、仲入り後にウォーレン・ビューティ主演の映画「天国から来たチャンピオン」のシネマ落語「たまや」。まくらでは、「天国から来たチャンピオン」をモチーフにした芝居をやったばかりなので、落語のほうはやりにくい。しおりにも書いてあったのですが、最新の「キングコング」を見たあとに白黒の「キングコング」を見るようなことになってしまわないかと心配していました。

「たまや」を二年ぶりに聴いてみると、最初聴いた頃には感じなかったのですが、かなり原作の「天国から~」を忠実に反映させているのだなあ、と思いました。新しい体に入れ替わってから自分だと説得するシーンとか、女房の浮気相手に殺されるという設定とか、ラストシーンでおたまと見つめあうシーンとか…。

いやあ、久々に「たまや」が聴けて、たいへん満足な夜でした。今日は志らくさんが座長を勤めたお芝居のメンバーの方々が遊びに来ていたらしく(芝居見ていないので分かりませんが)、一琴さんとか片桐さんなどがいらっしゃってました。

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